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がん・健康約7分

「がんが消えた」の本当の意味――免疫療法が変えるがん治療の未来

直腸がん患者49人で、治療後にがんが確認できない状態となった臨床試験。免疫療法がもたらす希望と、対象・限界を分けて一つずつ確認していきます。

株式会社クリエイティブクラス代表取締役の真宅克典
自身も手術、放射線治療、抗がん剤治療を経験した代表取締役 真宅克典出典:株式会社クリエイティブクラス(自社撮影)
関連番組・記事NHK「病への挑戦 がんが消えた!?克服のカギは免疫」NHKの外部ページへ移動します。再生ページを開く ↗
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直腸がん患者49人で、がんが確認できない状態に

2026年9月19日、NHKは「病への挑戦 がんが消えた!?克服のカギは免疫」と題し、免疫療法による新しいがん治療の研究を紹介しました。大きな希望を感じる内容ですが、見出しだけで「誰のがんにも同じように効く」と受け取らないことが大切です。

米国のメモリアル・スローン・ケタリングがんセンターなどの研究チームは、「ミスマッチ修復機能欠損(dMMR)」という特徴を持つがん患者に、免疫チェックポイント阻害薬ドスタルリマブを投与する臨床試験を行いました。2025年に医学誌『New England Journal of Medicine』で発表された研究では、治療を完了した103人のうち84人が「臨床的完全奏効」と判定されました。直腸がん患者49人では、全員で治療後にがんが確認できない状態になったと報告されています。

臨床的完全奏効とは、診察、画像検査、内視鏡検査、生検などでがんを確認できない状態です。体内のがん細胞が完全になくなり、将来も再発しないことが保証された「治癒」と同じ意味ではありません。治療後も継続的な検査と慎重な経過観察が必要です。

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免疫にかかった「ブレーキ」を外す治療

私たちの免疫には、異常な細胞を見つけて攻撃する働きがあります。一方、免疫が強く働きすぎて正常な細胞を傷つけないよう、その働きを抑える仕組みも備わっています。これが「免疫チェックポイント」です。

一部のがん細胞は、この仕組みを利用して免疫から逃れます。免疫チェックポイント阻害薬は、免疫にかかったブレーキを外し、免疫細胞ががん細胞を攻撃しやすくする薬です。

今回の研究対象となったdMMRのがんは、DNAを複製するときに生じる間違いを修復する機能がうまく働かないという特徴があります。そのため遺伝子の変化が多くなり、免疫細胞から異物として認識されやすいことが、免疫療法への反応につながると考えられています。

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「49人全員」という結果を、すべての患者に当てはめない

今回の結果は大きな前進ですが、対象はdMMRという特定の特徴を持つがん患者です。同じ直腸がんでも、がんの性質、進行度、全身状態などによって適切な治療は異なります。現在の標準治療を、患者自身の判断で中断・変更することはできません。

免疫チェックポイント阻害薬では、発疹、下痢、疲労などのほか、免疫が正常な臓器を攻撃することで、肺、腸、肝臓、腎臓、甲状腺などに炎症が起こる場合があります。効果が期待できるかだけでなく、副作用と治療後の管理まで含め、専門医が慎重に判断します。

NHKの特集では、乳がんの再発防止を目指す個別化がんワクチンの研究も紹介されました。患者ごとのがん細胞の遺伝子変化を手掛かりに、免疫ががん細胞を認識しやすくする研究です。ただし、一般的な感染症予防ワクチンとは異なり、効果、安全性、対象、長期的な再発予防効果について検証が続く段階です。

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がん治療を経験した立場から

私は、がんの手術、放射線治療、抗がん剤治療を経験しました。治療によって命を支えていただいたことに感謝する一方、身体への負担や、仕事・生活への影響も実感しています。将来、治療の選択肢が増え、より多くの患者が臓器や身体の機能を守りながら治療を受けられるようになることを願っています。

新しい治療のニュースを読むときは、「画期的」という言葉だけで判断せず、誰を対象にした研究か、何人が参加したか、どこまで経過を確認できているか、副作用は何かを確かめることが大切です。希望を持ちながら、条件や限界も知ることが、安全な選択につながります。

N-NOSEは、尿を用いて採尿時点のがんリスクを調べるスクリーニング検査です。がんの診断、早期発見、予防を保証するものではなく、今回紹介したdMMRの有無や免疫療法の効果を調べる検査でもありません。国が推奨するがん検診の代わりにはならず、症状や不安がある場合は、結果にかかわらず医療機関へ相談してください。

免疫療法の進歩により、特定の特徴を持つがんでは、手術や放射線治療を避けられる可能性が見え始めています。しかし、「がんが確認できない状態」と「治癒」は同じではなく、すべての患者に当てはめることもできません。治療方法は主治医や専門医と十分に話し合ってください。株式会社クリエイティブクラスでは治療方法の判断や医療相談は行いませんが、がん治療に伴う家計、仕事、会社経営への影響や、現在加入している保険の確認をお手伝いしています。

※本記事は2026年9月21日時点で確認した研究・公的情報に基づく一般的な情報提供です。個別の診断や治療を勧めるものではありません。臨床的完全奏効は治癒や将来の無再発を保証しません。治療方針については必ず主治医または専門医へご相談ください。保険の給付条件は契約ごとに異なるため、正式な契約資料・約款をご確認ください。

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