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人・体験約4分

人生は、過去だけで決まらない――元暴力団員から弁護士になった人の再出発

諸橋仁智弁護士の歩みを伝えた報道から、人生を立て直す一歩と、それを支える人とのつながりについて考えます。

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一冊の本が、次の道を見せた

もう遅い。今さら変えられない。そんな言葉で、これからの自分まで決めてしまうことはないでしょうか。年齢や過去の出来事を理由に、やってみたいことを胸の中にしまい込む。大きな転機の話は、そんな日常の迷いにも問いを投げかけます。

福島テレビが9月30日に紹介したのは、福島県いわき市出身の弁護士、諸橋仁智さんです。報道によると、暴力団に所属し、覚せい剤に関わる生活の後に逮捕された諸橋さんは、留置場で、弁護士へと人生を変えた女性についての本を読みました。それが自分もやり直せるかもしれないと考えるきっかけになったといいます。

その後、資格取得に取り組み、司法試験に合格。現在は刑事事件の弁護だけでなく、更生や社会復帰も見据えた支援を大切にしていると伝えられています。ここからは、その報道を手がかりに、再出発について考えてみます。

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過去への責任と、未来への一歩

この歩みを、珍しい成功談として読むだけでは、見落としてしまうものがあります。犯罪による被害や過去の行為への責任は、その後に立派な仕事に就いたからといって消えるものではありません。

そのうえで、責任と向き合いながら、これからの行動を変えていく道は必要だと思います。過去をなかったことにするのではなく、同じことを繰り返さず、別の生き方を一日ずつ積み重ねる。その姿勢にこそ、再出発の意味があるのではないでしょうか。

弁護士になるほどの変化を、誰もが目指す必要はありません。約束を守る。学び直す。困ったときに相談する。目立たない行動でも、それを続けることが、今の自分を少しずつ変えていきます。

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決意を支える、日々のつながり

私がこの話から考えたいのは、決意を支える環境です。人は何かをきっかけに心を動かされても、その気持ちを毎日保ち続けられるとは限りません。調子の悪い日や、思うような結果が出ない日もあります。

そんなときに、話を聞いてくれる相手や、次に何をすればよいかを一緒に考えてくれる人がいる。そのつながりは、再出発を続ける土台になり得ます。本人の努力を大切にすることと、周囲の支えを大切にすることは、両立するはずです。

ただ、一人の成功から、努力すれば誰でも同じ結果になるとは言えません。置かれた環境や必要な支援は人によって違います。うまく進めない人にまで、努力が足りないという言葉を向けたくはありません。

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今日できる、小さな再出発

自分の暮らしに引き寄せるなら、先延ばしにしていたことを一つだけ選んでみるのもよさそうです。読みたかった本を開く。学びたいことを調べる。気になっていた相手に連絡する。結論が出ていなくても、相談の約束を一つ入れる。

周囲に再出発を望む人がいるなら、すぐに励ます言葉を探すより、まず何に困っているのかを聞くことから始められます。安全や必要なルールを守りながら、今の行動と、これからの意思にも目を向けたいと思います。

私たちが人を見るとき、知っている過去だけで、その人の未来まで決めていないか。諸橋さんの歩みは、自分自身への見方と、隣にいる人への見方の両方を、考え直すきっかけになります。

人生を立て直すには、時間がかかることもあります。それでも、今日選ぶ行動は、これまでとは違うものにできます。大きな決意を急ぐより、続けられる一歩と、話せる相手を一つ。そんなところから、これからの時間をつくっていきたいと思います。
情報源

※人物の経歴は福島テレビの報道に基づいています。再出発や人とのつながりについての考察は当社の見方です。ご本人への独自取材を行った記事ではありません。

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