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法人・サイバー約6分

サイバー被害、その日は誰が電話する?――中小企業の初動を決めておく

パソコンが止まったとき、担当者任せにしないために。IPAの手引きをもとに、連絡、隔離、記録、復旧、保険確認の順番を一つずつ確認していきます。

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パソコン一台の異変が、会社の仕事を止める

顧客情報が開けない、請求書を送れない、取引先のデータにアクセスできない。サイバー事故は『IT担当の問題』で終わらず、売上、信用、取引先への連絡に広がります。専任担当者のいない会社ほど、最初の一時間に誰が判断するかを決めておくことが大切です。

IPAの『中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン第4.0版』は、経営者が認識・実施すべきことと、現場の手順を分けて示しています。今回の改訂では、初めに取り組む項目に『バックアップを取ろう!』が加わりました。

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第一報を受ける人と、判断する人を分ける

社員が不審な画面やファイルの異常を見つけたら、まず社内の情報セキュリティ責任者へ連絡。責任者は経営者へ報告し、影響する業務と顧客を確認します。『担当者が出張中だから明日』とならないよう、連絡先と代役を紙にも残しておきましょう。

IPAのインシデント対応の手引きでは、発見日時、発生した現象、影響を受けた機器、対応の経過を記録します。憶測で『情報漏えいはない』と断定せず、分かったことと未確認のことを分けて記録するのが基本です。

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むやみに電源を切らず、専門家と被害拡大を止める

感染が疑われる端末は利用を止め、必要に応じてネットワークから切り離します。ただし、端末の電源をむやみに切るなどの操作で調査に必要な記録が失われる場合があります。機器の状態を記録し、保守会社や専門家の指示を仰いでください。

顧客情報や委託先のデータが関係する場合は、契約上の連絡先、個人情報保護委員会への報告の要否、警察やIPAへの相談を確認します。報告の要否と期限は被害の内容により異なるため、専門家と判断します。

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復旧の前に、使えるバックアップか試しておく

バックアップを『取っている』だけでは、いざというときに戻せるとは限りません。IPAは複数の媒体を使い、常時接続を避け、定期的に復元できるか確認する方法を示しています。受注、会計、顧客連絡のうち、どの業務を先に戻すかも決めておきましょう。

紙の伝票、別の連絡手段、代替の取引先など、システムが止まった日にも続ける業務を選ぶ。これは会社の事業継続計画そのものです。

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保険は初動の代わりにならない

サイバー保険には、原因調査、復旧、賠償、休業などに関わる費用を対象とする契約があります。ただし補償の範囲、事故時の連絡先、委託先の利用条件、免責金額は契約ごとに異なります。被害が分かってから探すのでは遅い項目です。

まず社内の連絡表とバックアップを確認し、そのうえで保険証券と約款を開いてください。当社は事故対応の相談を受ける立場として、何を記録し、どの窓口へつなぐかを一緒に順を追って見ていきます。

今日決めたいのは、発見した人から経営者までの連絡順、社外の相談先、最優先で復旧する業務の三つです。技術のすべてを社内で抱えず、助けを呼ぶ道筋を用意しておきましょう。

※本記事は一般的な備えを整理したものです。事故時の技術的な処置、行政への報告義務、保険金支払の可否は状況や契約により異なります。専門事業者、法務担当者、保険会社等に確認してください。

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