その福利厚生、社員は使えていますか?――ハタラクエール2027から考える会社の備え
福利厚生は制度の数より、必要な人へ届くことが大切です。ハタラクエール2027の募集をきっかけに、地域企業が点検したいことを考えます。
立派な制度なのに、誰も使っていない
会社には制度がある。でも、社員は知らない。知っていても、忙しい上司に言い出しにくい。福利厚生を考えるとき、私が大切にしたいのは、この距離を縮めることです。
厚生労働省は10月1日、福利厚生の充実と活用に取り組む法人を認証・表彰する「ハタラクエール2027」の募集を発表しました。応募期間は2026年10月1日から2027年1月31日まで。実行委員会が運営し、厚生労働省が後援する制度で、助成金の募集ではありません。
社員の困りごとは、年齢と家族で変わる
ここからは、地域企業が制度を見直すための当社の提案です。若い社員には住まいや学び、子育て世代には急な呼び出し、50代以降には親の介護や自身の通院など、働く人の事情はさまざまです。全員に同じ特典があるだけでは、必要な支えへつながらないこともあります。
例えば、健康相談の窓口を用意しても、連絡方法が分からなければ利用しにくい。検診を勧めても、予約や勤務調整が難しければ後回しになるかもしれません。「何を用意したか」に加えて、「どこで利用が止まるか」を聞くことが出発点になります。
個人の病名や家庭事情を無理に聞く必要はありません。匿名のアンケートや、困ったときの手続きを尋ねる方法でも、使いにくさは見つけられます。
新しい制度を買う前に、三つの確認を
一つ目は、社員が制度を知っているか。入社時の説明だけで終わらず、対象者、申請先、必要書類を一枚にまとめてみます。
二つ目は、使う手間と遠慮が大きすぎないか。「まず誰に話せばよいか」が分かること、相談内容の扱いが説明されていることが、安心につながります。
三つ目は、利用後の声を聞いているか。利用人数だけでは、役に立ったか、必要な人へ届いたかまでは分かりません。小さく試し、感想を聞き、改善する。この繰り返しなら、小規模な会社でも取り組みやすいはずです。
まとめ――もしもの時に使える形へ
企業が用意する保障も、対象者や給付の条件、連絡先が分からなければ、いざという時に困ります。保険を増やすことを前提にせず、今ある保障と社内制度の役割を整理することが大切です。税務や労務上の扱いは、制度ごとに専門家へ確認してください。
ハタラクエールへの応募を検討する法人は、公式サイトで最新の募集要項や応募方法を手元の情報と照らし合わせてください。応募するかどうかにかかわらず、「社員が使える福利厚生になっているか」は、今日から話し合えるテーマです。
クリエイティブクラスでは、経営者と従業員の保障を整理するご相談を承っています。今ある制度を確認するところから、一緒に考えます。
- 厚生労働省|ハタラクエール2027応募受付の開始(2026年10月1日公表・10月2日確認)
※募集内容は変更される場合があります。本文の制度点検方法は当社の提案であり、公式の審査基準や受賞を保証するものではありません。
