早く見つけることには、どのような意味があるか
がんの生存率は、がん種、進行度、年齢、集計方法などで異なります。「早期なら必ず9割」と単純化せず、検診と精密検査の役割を順を追って見ていきます。
早く見つける意味は、治療の選択肢を検討しやすくすること
がんは一般に、広がりが小さい段階で見つかるほど、治療の選択肢を検討しやすくなる可能性があります。検診は、症状のない人を対象に、治療が必要ながんを早い段階で見つけ、がんによる死亡を減らすことを目的としています。
ただし、検診を受ければすべてのがんが見つかるわけではありません。検診には、がんがあっても見つからない場合や、がんでなくても『要精密検査』となる場合などの不利益もあります。対象年齢や受診間隔を確認し、利益と不利益を理解して受けることが大切です。
『早期なら必ず9割』とは言い切れません
国立がん研究センターが公表した2012~2015年診断例の集計では、限局している段階の5年純生存率は、胃92.4%、大腸92.3%、肺77.8%、女性乳房98.4%、子宮94.2%でした。がんの種類によって数字は異なり、肺がんのように『限局なら9割』に当てはまらない例もあります。
さらに、2026年2月に厚生労働省が公表した2018年診断例の全国5年生存率は、進行度を分けない全体値で、胃64.4%、大腸68.0%、肺39.6%、女性乳房88.4%、子宮頸部71.4%でした。対象と集計条件が異なる数字を並べて、単純に優劣を判断することはできません。
これらは多くの患者さんの結果をまとめた統計です。個人の経過は、進行度、がんの性質、年齢、持病、治療法などで異なります。生存率は一人ひとりの将来を決める数字ではありません。
生存率を見るときは、集計方法まで確認する
『5年生存率』にも、実測生存率、相対生存率、純生存率などがあります。対象となった診断年、医療機関、年齢、進行度も集計ごとに異なります。数字だけを切り取らず、何を対象に、どの方法で計算したかを一緒に見る必要があります。
国立がん研究センターも、患者さんの年齢、性別、病期だけでなく、併存疾患や身体機能が生存率へ影響すると説明しています。施設別の数字だけで治療の良し悪しを判断できないことにも注意が必要です。
『要精密検査』は、結果を確かめるための次の段階
検診で『要精密検査』となっても、がんと診断されたという意味ではありません。しかし、そこで受診を止めると、検診で見つけられる可能性があったがんを確認できません。国立がん研究センターは、精密検査の受診率を本来100%目指すべき重要な指標としています。
N-NOSEは、尿を用いて採尿時点のがんリスクを調べるスクリーニング検査です。診断、がん種の特定、早期発見、予防を保証するものではなく、国が推奨するがん検診の代わりにはなりません。結果だけで健康状態を判断せず、対象となる検診は別に受けてください。
症状や不安がある場合は、N-NOSEや検診の結果にかかわらず医療機関へ相談してください。要精密検査の通知を受けた場合は、案内に従って適切な医療機関を受診しましょう。
早期発見の価値は、分かりやすい一つの数字で表せるものではありません。検診を受け、結果を確認し、必要なら精密検査まで進む。その一連の行動が大切です。株式会社クリエイティブクラスでは、N-NOSEの役割と注意点を分かりやすくご案内します。医療上の判断は医療機関へご相談ください。
- 国立がん研究センター|2012~2015年診断例の5年純生存率(2026年9月24日確認)
- 厚生労働省|2018年全国がん登録5年生存率報告(2026年9月24日確認)
- 国立がん研究センター|院内がん登録生存率集計(2026年9月24日確認)
- 国立がん研究センター|がん検診の精密検査受診率(2026年9月24日確認)
- N-NOSE公式サイト|検査の位置づけと受検後の流れ(2026年9月24日確認)
※本記事は2026年9月24日に確認した公的・公式情報に基づく一般的な情報です。生存率は集団の統計であり、個人の予後や治療結果を示すものではありません。検診・精密検査・診療については、自治体や医療機関の案内に従ってください。
