宇部市は841位――子どもの人口ランキングから、街のこれからを考える
宇部市の15歳未満人口は5年間で11.02%減、ランキングは841位。順位の意味を確認し、地域の暮らしと会社にできることを考えます。
宇部市の名前を、探してしまいました
全国の自治体を比較したランキングを見ると、やはり宇部市がどこにあるのか気になります。
10月13日、東洋経済オンラインに、2020年から2025年にかけて『子どもの人口減少率が高い自治体』を比較した記事が掲載されました。
その表で、宇部市は841位。15歳未満の人口は、2020年の18,711人から2025年の16,649人へ減少しています。5年間で2,062人、減少率は11.02%でした。
全国の減少率は11.2%です。宇部市も、全国とほぼ同程度の減少が進んでいることになります。
数字だけを見ると少し遠い話に感じますが、地元の街のことだと思うと、受け止め方が変わります。
841位は『子育てしにくさ』の順位ではありません
最初に確認しておきたいのは、このランキングが何を比べているかです。
対象は、2020年の総人口が1万人以上の自治体。そのうち子どもの人口が減った自治体を、減少率の大きい順に並べています。
つまり、841位は、住みやすさや子育て支援の充実度を評価した順位ではありません。
また、15歳未満人口の変化には、出生や転入・転出だけでなく、子どもが成長して15歳以上になることも関係します。『これだけの子育て世帯が宇部から出ていった』と読み替えることもできません。
順位は、街の現状を知る入口です。数字から分かることと、数字だけでは分からないことを、分けて考えたいと思います。
2,062人の減少を、暮らしの側から考える
ここからは、記事を読んだ私の考えです。
子どもの人口が減ると、学校や地域の活動、お店の利用、将来の働き手など、さまざまな場面で変化が起こり得ます。
ただ、『人口が減るから、この街には未来がない』と結論づけるのは早いと思います。
大切なのは、今ここで暮らしている子どもや、その家族が、どんな毎日を送れているかではないでしょうか。
安心して通える場所がある。困ったときに相談できる人がいる。親が働くことと、家族の生活を両立できる。そうした身近な条件の積み重ねが、街への信頼につながるのだと思います。
人口の数字をすぐに変えることは難しくても、目の前の暮らしを支えることは、今日から考えられます。
地域の会社にも、できることがある
人口の話は、行政だけが考えるものではありません。
宇部で事業を続ける私たちにとっても、若い人がどんな場所で働き、どんな暮らしを望んでいるかは、会社の将来に関わる話です。
子どもの急な発熱で休むとき、職場で相談しやすいか。家族の事情が変わったとき、働き方を話し合えるか。若い人が経験を積み、役割を持てるか。
会社ごとに事情は違います。それでも、『今までこうだったから』で終わらせず、働く人の生活にも目を向けることはできるはずです。
保険も、家族の生活や仕事を続けるための備えの一つです。ただ、保険だけで子育ての負担や地域の課題が解決するわけではありません。暮らし全体を聞き、その中で必要な備えを考える姿勢を大切にしたいと思います。
順位より、その先の宇部を
私は宇部で生まれ、宇部で会社を営んでいます。だからこそ、街の人口の変化を、遠くのニュースとして読み流すことはできません。
若い人が外へ出て学ぶことも、地元で働くことも、それぞれ大切な選択です。どこに暮らすかを一つの正解にせず、宇部に残る人、戻ってくる人、新しく来る人が、自分らしく生活できる街であってほしいと思います。
841位という数字に一喜一憂するより、今いる子どもたちや家族のために、私たちは何ができるのか。
今回のランキングを、そんな会話を始めるきっかけにしたいと思います。
- 東洋経済オンライン|子どもの人口減少率が高い自治体ランキング(宇部市は18ページ目)(2026年10月13日5時公開/同日ランキング表確認)
- 東洋経済オンライン|ランキングの集計条件・全国値(2026年10月13日公開・確認)
※情報の確認日は2026年10月13日です。ランキングの数値と、筆者の考察を分けて記載しています。順位は15歳未満人口の減少率の順であり、子育て環境や住みやすさの評価ではありません。
